鎖。
古臭いかおりが鼻をついたああ これは僕へのレクイエムなのだなと思った
頭をめぐってかえってきたとき
もうここはしびれて役立たない世界だと知った
嘘ならいくらでも教えてあげよう?
「おかえり」も言わないのに
それはなつかしい記憶だと言えたろうか
命一匹見つけれなくて
僕は心優しき死神だと名のれるだろうか
狼ならひとりでも生きてゆけただろうか
底なんて最初からなかった
代償と呼べるほど愛しいものは
あいにく持ち合わせていないと笑った
天をあおいだら空色だったから
知りもしないけど泣いた
だから名前をつけてやろう
忘れるために?
重みを知っているなら
ここからいつでも連れ出してあげよう?
存在してないならつくってやろう
だから そのときが来たら
僕を。
2005.07.24