絵筆と紙飛行機。
ひとりになってはじめて自分の過去に目を向けた
いつも見えていたものが消えて広がった
此処に居てもいいんだねと呟けば
隣の闇は寄り添って泣いた
取り上げたものは本当はいらなくて
あとでこっそり捨てていたのに
いつの間に大事に育てられていたのだろう
記憶の中でそのうちきれいになっていくのは
いつか忘れてしまうのが怖かったから
逃げる術も知らないなら怒ってよ
背けた痛みは肩越しに泣いた
泣くことは悪いことじゃないの
でも自分が今泣かなくても
どこかで代わりに泣く人がいるなら
閉じ込めた祈りを水に溶かして
変われないって笑いたい
時計は一秒毎に時を進めるけど
自分はいつまで経っても此処にいる
大切なものはもう全部真っ暗で見えない
自分は何処へいったの
前になんて進めないよ
時間は速すぎて足がすくんで動かない
不安なんて感じない程焦って
自分の鼓動がうるさくて聞こえない
本当に此処に居てもいいの
教えて何処にいけばいいの
知らない髪はにじむように笑った。
2005.09.08