トガツキ。

雨流し。

逆しまなほどの愛情で然様ならを告げる
弾きたくなる弦は唯君を射殺す為だけに
連れて行くから
まだ僕は現実を知らない

それなら嗚呼一層引き摺って
存在をお願い肯定しないで
誰でもねえ渇いてしまったから
飢えは僕すら吹き飛ばすでしょう?

気付いたんだ
痛かった訳じゃない

だから夢で遭いましょう
振り返る背を見たいから
飲み終えた言葉を待っていてあげる
何処にも往かないで
どうか夢で遭いましょう


何も怖くないはずがない
嘘なんて吐かない
真実なんてない
置き場所すら忘れてしまった

何処で?
いつから僕は殻を綴じた?

知ってたんだ
居たかった訳じゃない

だから夢で遭いましょう
壊れるままでいたいから
立ち止まる影は夢でしかないから
裸足で逃げられない
どうか夢で遭いましょう


霞んだ彼方から槍が降る
鎮まった鼓動に今布を着せて
もう一度だけ然様ならを告げる


それでも嗚呼今更断ち切って
助けてと掴んだ木霊を憎んだ
"誰か"ならば訓えてくれたんでしょう
誰か僕にも現実を視せて

いつか夢で遭いましょう
一緒に呼んであげるから
駆け出した嘘は仰げばまた哂う
全ての咎を洗って
せめて夢で遭いましょう。
2006.08.02
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