ひみつ、のみ
私は聞く「何処へ?」
君は聞く
「何処へ?」
心は何処にもゆけないよ
なのに何が何処にあるのかもわからなくて
知らなくて
一つじゃなきゃいけないのに 私は一つじゃない
できないのは ねえ、なんで
なんで
きっと 世界がおかしいの
目が覚めたら私は普通の子
「嘘吐き!」
出来そこないの感情は雨と一緒に沈めばいい
どれもこれも本物になれないのなら要らない
「かんがえるじかんをくださいな。」
時間稼ぎのその間に言い訳を捏ねておくから
きっと 全部がおかしいの
朝が来れば 私はまた君の隣で笑う
秘密はいつだって喉の裏
ひみつ、の、みはいつでも何処でも舌の裏
夏の終わりに冬の終わりをもう一度
凍えてしまう前に君にも聞いてみたい
「ねえ、何処へ?」
2010.08.31