伝染。
木もれ陽を揺らした流れに見上げた平面はただ赤く赤く
折り目が何処かも知らない
どうして どうして
君はそんなに僕を引き裂くの
吐き出された雲と
くすんだ煙の区別もつかずに
細い糸 で
ぎりぎり音を立てる僕の心臓
一層 そのまま 一気に
糸を引きちぎる要領で
世界がさらさら回っていく
僕から君へ呼んであげる
ひっくり返して ちゃんと
君が流れ続けるように
裂けた命から
逃げ出すように遠くへ
途切れる音?
千切れる音?
木もれ陽を揺らした風に
見上げるあの空はただ赤く赤く
折り目はきっと何処にも
無い。
2005.10.27