箍無き。
-箍の泣きて吾、雨の終わりを求めしむ。足りない足りない
例えばどうして、と聞くと
例えば辿ってみろ。と笑う
悲しいと呼んでみる
幅があと少しと知っていても
眼球のちらつくのを抑え切れないこの理由
色付きの鏡を捲って影を追う
待って下さい
出来れば横で立ち竦んで居たいから
一言刺せなくて
頭は切なくて
停めれば逃げてって
又すぐ長けて行く
ああ唯掴みたいだけなのに
-箍を鳴きて吾、雲の行方を求めしむ。
満たない満たない
辿ればどうして、と聞かれ
辿れば例えてみろ。と哂う
隠れれば血が滲む
奥で見つけてと願っているから
必死で手を伸ばして触れようとしたあの白い日
明るみに騒ぐ意図を繋いでは消す
どうにもならない
出来たとして、きっといつかは切れるんだ
知っている
全部知っている
枉げれば苦を傾げ
下がれば餌を担ぐ
次には絞めるから
漸く向けられる
ああ唯共に
共に居たかっただけなのに。
2006.05.28