えぐりきず。
生温い風が気持ちごと掬い上げて武装した神経も柔らかい
えぐりきず
組み合わせただけでは
何も解決しきれないと
皓皓と嘯く月のうら悲しさ
まるく切り取ったなら
何処へでも放り捨てて
肉塊と朽ち果てるまで
命 全部 覚えているから
無駄だと笑って
落ちている場所も分からないのに
探し始めた境地は
心の在処
夢が聴こえる
せめて幻聴に犯される前に
目眩に噎せ返る恍惚に
委ねるこの身を拾い出して
埋め合わせてくれたなら本望
回る蒼穹 悲鳴をあげ
残酷な夜に押し潰されて
思い出せないんだ
噛み合わない現実も
抉るように心地良い
焦熱も。
2007.02.01