トガツキ。

背表紙の世界。

しりもしないことがおおすぎるのに
世界がどれほどぼくをひつようとしているというの
あかいなみだをさそう ぎんのつるぎにいま
みすかされて ガラスのうみへとしずんでいきたい

ことばにできないなんてうそ
こんな世界ですら ちがってみえるなら
おなじゆめくらい かんたんにみれるんでしょう

どうせ きえるなら このしゅんかん

しらないことだらけのどまんなかで
「あなたもころしてわたしもしぬ」なんてセオリー
うけとって つらぬいたとしたら
世界はぼくをどうするでしょうか
それともきみは それをびとくだとわらうでしょうか

ほんとうはこたえなんかいらないんだ
けっかがほしいんだ
つめたいゆかにへばりついて めをとじて
そうしててにいれた ぼくのあんのんとこうふく

どこからが ほんもののうそなんですか
どこまでが うそのしんじつなんですか

たえまなくぼくをきずつける そのては世界
そとへでれば かみついてはなさない
そしてまみれたうでで ぼくはもういちどとうんだ
きみがどれほど世界をひつようとしているというの

きれいすぎて みかぎったはずの世界と
こころのおくにもとめたはずの世界はおなじだったじじつ
ゆるしてくれますか。
2007.05.25
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