トガツキ。

なにか

代わり映えのない気がした
あの日の青空の温度をまだ覚えている

知らないうちにひとり立っていた
ここは誰のための場所
口を閉ざす僕は意気地なしだ

きっとさよならが好きだから
大切なものはポケットの中で眠ったまま
この旅を続けたいわけじゃなくて
戻りたくないだけ

壁も空も床も他人もそこにあるのに
方角を見失った僕は
やっとどちらにも行けなくなって
ひとつ 息をついた

花の嵐が降るのなら風が吹いてんだ
そのあと何が残る
何がしたいか問いかけて
馬鹿みたいに毎日呼吸だけして生きている

幸せの種を蒔く人の手を胡乱な眼で見た
吐いてしまえば楽になれそうだった
ふいに伸ばされた手をはね退けた
感情も何もわかりはしないんだ

そうして今日も椅子に座っている
どこかの隅でずっと何かを待っている

終わりのない なにか

2017.08.05
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